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4月11日(日)
権現峠越え (二) おばすて伝説と六地蔵


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権現峠から加門谷川砂防堰堤の近くに移設された六地蔵さまと他一基の地
蔵さま
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今回の軌跡です
画像をクリックすれば大きくなります

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距離 11.599km
所要時間 6:57(休憩時間含む)
平均速度 1.7km/h

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国道424号線 白馬隧道開通記念碑

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7:56
出発です

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昭和28年大水害 供養地蔵尊 

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昭和38年(1963)7月美山村建立

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昭和28年7月18日水害遭難者一覧

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国道424号線を渡り 旧道から下阿田木神社へ

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8:04
下阿田木神社

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左に水害水位標

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銀杏の巨木

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下阿田木神社000
画像をクリックすれば大きくなります

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境内の片隅に庚申さんが祀られています

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8:11
下阿田木神社を後にします

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8:12
加門谷川砂防堰堤

砂防堰堤000
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権現峠の六地蔵は砂防堰堤の近くに移設されています
前回の山行後 地蔵さまの事が気になり 日高川町美山支所美山地域振興
課に問い合わせたところ お坊様により 閉眼供養(魂抜き)~移設~開眼供
養(魂入れ)されたそうです

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お地蔵さまのもとへ

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この先 右に上れば地蔵さまがあります

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この中で万両を栽培しています

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8:16
六地蔵さまと他一基の地蔵さま

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手厚く祀られています

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六地蔵さまの事は後ほど

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砂防堰堤の近くに行ってみます

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堰堤000
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砂防堰堤からの眺め 正面 丸山です

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8:22
地蔵さまを後にします

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正面 鞍部が権現峠

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右へ 

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旧美山村中心部

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柵を開けます

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つづら折れで上げて行きます

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権現峠

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地蔵さまの台座が残る峠

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右 地図にある徒歩道と思われる

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ここを登れば味噌山

美山村史 通史編 上巻から

美山村の古道 「権現峠越え おばすて伝説と六地蔵」

権現峠越えというのは下阿田木からすぐに山に入って味噌山の鞍部を越え
中津村平岩へ下りて行く古道である
  この峠は主として美山村でも皆瀬(かいぜ) 川原河(かわはらごう) 打尾 
愛川(あたいがわ) 李(すもも) 上初湯川(かみうぶゆがわ)の人たちが御
坊方面に出るとき また 反対に中津村から下流の人たちが上記のところや
寒川村や龍神村へ往来するのに利用した峠である
  この峠の頂上に六地蔵さまと他に別に一基の地蔵さまが祭られていた
  麓の下阿田木で旅館をしている玉木清一の奥さん(栄子さん)はこの六地
蔵さまについて次のように話された
  伝承によると 大昔のことであろうが この村が生活に大変困り 今日の
食べる物がなく貧乏の極限で苦しんだ時期があったらしい その時 孫たち
に少しでもたくさん食べさせてやりたい それには口数を減らす以外に方法
はなく 労働力のない 手足まといになる老婆が一家のために山へ捨てられ
たのである
  老婆を背負って背戸山へ登って行く者も 無言で唯 別れの涙を道々にこ
ぼし 背中の老婆も涙が頬をぬらしたことであろう
  いわゆる「おば捨て山」は権現峠の南側の味噌山にあった
  味噌山から眼下を見ると青々と底の知れぬイトウの淵が渓谷の中に物静
かに待っていた 老婆たちはこのイトウの淵に崖から身を投げて自決したの
である
  里人たちは老婆たちが極楽浄土に往かれるように また 自分たちの心
の苦しみを救ってもらえるように この味噌山のおば捨て場所に六地蔵さま
をお祀りしたのである
  その後 時移り 世も変わり 経済も発達し このようなむごい生きざまも
昔語りとなって 六地蔵さまも山に忘れ去られてしまった しかし 心のある
人たちによって六地蔵さまは山から権現峠に移され ここを通る人々から花
や水を供えてもらうことにした
  六地蔵さまは初めは老婆たちの霊を慰めるために建てたのだが いつの
間にか里人たちのもろもろの願いをお頼みする地蔵さまになっていた
  里人たちが一番困ったのは永く日照りが続き水が不足して農作物が枯死
することであった こんな時 六地蔵さまを峠から里へお迎えした雨乞をした
  大正のころまでは盆がくると 平岩の人たちも阿田木 皆瀬の人たちも月
あかりや ちょうちんのあかりで峠へ登り 六地蔵さまをお慰め申し上げるた
め 峠の広場で盆踊りをしたという
  そもそも地蔵さまというのは人間の苦しみを救ってくださる菩薩さんのこと
で 我が国では平安時代の中ごろから信仰されて来たもので六地蔵さまは
人間の苦しみはもちろん それ以下の六種(六道)の苦しみを救ってくださる
六体の地蔵さまである

ここで ちょっと一服
六道とは? 参考までに!

  権現峠の六地蔵さまと並んでいらっしゃる一体の地蔵さまは明治二二年
八月の大洪水で流れてきた地蔵さまで 北亦弁四郎さんが拾って来て自分
の家で祭っていたものを多くの人に拝んでいただくために峠へ移したのであ

  明治 大正時代は多くの人たちがこの峠を越して行ったので地蔵さまも寂
しくなかったけれど 昭和になって車道が川沿いに出来て峠越えは全くなくな
り 地蔵さまも苔むしてきた
  ところが 下阿田木の在所である人が不幸が続くので 和歌山市のお大
師さまにおがんでもらったら これは下阿田木神社の境内に祭っている庚申
さまのおつげであるのだけれども下阿田木に忘れられている地蔵さまがある
それをお祭りすればきっとよくなると告げられた
  その人は帰って来て人にも尋ね 自分も探したところ 峠の六地蔵さんと 
今一つの地蔵さん以外にないということになって お祭りすることになった
  それは地蔵さまの縁日 月の二四日と決め その後毎月続けてお祭りし
ている 今から数年前からのことであると栄子さんは教えて下さった
  筆者は栄子さんの案内で下阿田木神社の境内にある庚申さんにお参りし

  庚申さんは延享二年丑三月一七日に栄順という人によって作られたもの
だけれど 栄順さんはこの神宮寺の住職ではなかろうか
  さて 話を権現峠に戻そう
  権現峠はなぜ味噌山峠といわないのであろうか 平岩の老婆たちや阿田
木の人たちにも聞いてみたが答えてくれなかった
  平岩のカネばあさんは この坂本に古くから大地権現さまが祭られて来た
という
  そうであれば大地権現さまや下阿田木神社(権現)へお参りするために越
える峠だから権現峠と名づけたのであろうと思った

ひろっさんは
この事から六地蔵さまと他に別に一基の地蔵さまが加門谷川の砂防堰堤 近
くに移動したのか分かりました 峠を使った往来がない 平岩 阿田木の人た
ちの高齢化 近くでお祭りし お参りしたい 阿田木を見下ろせる場所から見
守って欲しい お気持ちからでしょうね

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8:58
権現峠を平岩へと下ります

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道悪

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古い崩落跡があります

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阿田木側方が歩き良いですね

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左 石積みが見えます

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ここは慎重に

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谷川に架かる橋を渡ります

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日高川

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良い眺め

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下ります

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9:23
地図にない軽車道に下ります

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平岩

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下ってきたところ

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人がいます お声がけしたいと思います
面白い話を色々 聞かせて頂きました 
昔 平岩には旅館あり 筏師が定宿に使ったそうです 最近は過疎が進み人
も減り 空家は別荘として使われているとの事でした 権現峠の事を話したら
地蔵さまの移動された事は知っていました 長年ここに住んでいるが権現峠
に行ったことはないとの事でした 氏神さまの話になり 地元では「ふくりゅう
さん しょうりゅうさん」といわれているようです 受験にご利益がある神さんら
しいです 場所は下越方に繋ぐ道があり その途中にあるとのことで ビックリ
です 峠越えの道だけと思ったのですが・・・ 
聞けば行きたくなります 

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お会いしたのもご縁ということで 記念に一枚 撮っときます

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9:37
早速 行ってみます

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カーブミラーの所から入ると言っていました

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すぐ右に鳥居があります

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スチール製の鳥居

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お参りする機会が少ないのか?踏み跡は薄いです

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9:45
古道 平岩からは傷んでいて通れないと言っていた

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下越方へ繋がる古道

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昔の人のパワーは凄い 手掘りした道

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9:48
ふくりゅうさん しょうりゅうさん

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どちらが ふくりゅうさん しょうりゅうさんでしょうか?

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平岩谷の方向

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下越方への道 次回 行ってみたいと思います

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10:03
ふくりゅうさん しょうりゅうさんを後にします

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鳥居へ下ります

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10:10
カーブミラー

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平岩集落の間を通って行きます

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日高新報から
(前略)日高川の筏流しは江戸時代に始まり 明治期には木材の流通が盛ん
になり 筏流しも隆盛 日高川は難所が多く、日高川で鍛えた筏師は卓越した
技術をもつことから鴨緑江(中国と北朝鮮との国境)などでも活躍したという 
時代とともに陸上交通が発達、輸送手段は筏からトラックへと移り変わり 昭
和28年の大水害で幕を下ろした(後略)

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筏師の定宿があったのかな?

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10:21
県道26号御坊美山線に出ます

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庚申さんが祀られています

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熊野御坊南海バス

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時刻表
画像をクリックすれば大きくなります

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味噌山

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平岩谷川へ

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10:26
平治橋

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平治橋から平岩 権現峠 味噌山

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10:27
平治橋のたもとを出発します

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みかん畑 耕作放棄され 八朔の木も巨木化しています

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林道終点 行き止まりです

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一息入れて 作戦会議

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10:47
谷川へ

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川を越えた所に石積み

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谷川に沿って薄い踏み跡が確認できます

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ガレキが堆積しています

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辺りを見回しルートを模索します

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横に走る一本の筋 道のようです

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滑(なめ)足元注意です

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踏み跡

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辿りながら進みます

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やがて踏み跡が?

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上を目指して進むと

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石積みが現れます

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数多くの石積みです

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これだけの石をどこから運んだのか?

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棚田が形成されています 近くに住居も存在したのだろうか?こんな山深い
所に・・・ 平家の残党の隠れ家?

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一世代でこれだけの石積みは出来ないでしょうね

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棚田を繋ぐ 階段状に積まれた石

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平治橋から延びる尾根を目指します

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トラバースしていると

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砂防堰堤が現れます

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濃い踏み跡です

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11:50
平治橋からの尾根に乗りました

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歩き良い尾根です

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12:08
P510.8です

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三等三角点があり 基準点名は平岩です

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記念に一枚 撮っときます

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三角点を後にします

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岩が現れますが

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左に巻けば問題なく通過できます

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登り切ればP545

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12:40
P545です

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ピークから清冷山が望めます

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お昼にします

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13:14
出発します

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13:23
昭和28年大水害 弥谷崩落跡

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足がすくみます

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右 矢筈岳  左 清冷山

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左右 落ちています 慎重に通過します

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白馬山

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年月が流れ崩落跡に木々が茂ります

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13:36
弥谷 集落跡に下ります

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赤 青杭が目印

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鶏舎跡が見えます

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13:52
着地

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弥谷の崩落跡にできた養鶏場(昭和51年完成)
県産のブランド鶏肉「紀州うめどり」 2019年末に経営破綻
美山地区の養鶏場2カ所で7万羽の鶏の死骸と鶏ふんが放置され社会問題
になったようです 死骸は処分されたようですが まだ鶏ふんの臭いはします

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事務所

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鶏供養塔

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白馬山脈

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白馬山

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崩落した稜線

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14:06
養鶏場を後にします

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左 国道424号線

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14:34
弥谷公民館

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国道424号線

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14:42
戻りました
今日も楽しく歩けました ありがとうございました (* ´ ▽ ` *)(o‘∀‘o)*:◦♪